2011年01月28日

版築壁

数年前、版築という技法の壁を始めてみた。
どこで見たのかは、覚えていないが・・・

「美しい土壁だなぁ」

その素朴な感動は、すぐに他の観光名所の視覚に奪われたが・・・
どうやら、頭の隅に映像としてしっかりと刻まれていたようだ。

約2年前、住宅雑誌でその壁と再開。
左官職人の挾土秀平氏の特集だったと思う。
そこで、版築という名前を始めて知る。

この工法は、古来中国の城や城壁に使われていたそうです。
有名なのが万里の長城。
banchiku5.jpg

The.土壁という風情ですね。
中国は黄土の国なので、土壁も黄色一色。

これを、日本の土と・・・日本人気質を混ぜ合わせ昇華させたのが、現代の版築壁です。

banchiku4.JPG
挾土秀平氏HPよりhttp://www.syuhei.jp/

人口の地層とでも言いましょうか?
とっても、心落ち着く色合い。
なんだか、土の中にいるかのような、重厚感があって暖かい風合い。

美しいですね。

版築工法は、5cm〜15cmづつ土を重ねて造って行きます。
型枠をつくり、土を入れたら、上から叩いて絞め固め、乾かす。
そして、また土をいれ叩いて乾かす。
高さ2mの壁をつくるのに、この工程を20回繰り返さなければなりません。

banchiku3.JPG

地層の景色は、ひとつひとつの層の土の種類を変え、また砂や石灰石を混ぜたりして色や粒子の違いを出します。
土は、様々な産地から色や質の異なるものを集めて使います。
職人の感覚で・・・「次は、この土にこの砂を混ぜよう」とか「次は、鹿児島産の土を使おう」としていくわけです。

ただ単に重ねてしまうと、流線は描けません。
頭の中で、型枠で隠れた「正面」をイメージして、土の量を調整する。
まさに職人技。
そして、・・・とっても手間が掛かりますね。

この版築壁、現行の建築基準法では、構造壁として認められていません。
つまり、建物の壁として造ることが出来ないんです。

版築壁を自立させるには、最低でも厚さ20cmは必要。
banchiku2.JPG

これだけの構造物を、化粧だけに造るとなると・・・
とっても広い空間(家)が必要となります。

40〜50坪の家じゃ、難しいな。(^^;)

また、施工できる職人も数えるほど。
工期は、RC壁の30倍。
土も全国からダンプで持ってくるとなると・・・

やっぱり、どえらいお金が掛かることが、容易に想像できます。

う〜ん
お金があればなぁ〜。(TT)

建築家「泉幸甫」先生のブログに、中国のアバウトな作り方の写真が載っています。
http://izumi-arch.cocolog-nifty.com/column/2010/08/index.html

これだけ見ても、大変そうです。(^^;)

伊藤誠康先生に、版築をやってみたいと話をすると・・・
ニッコリと笑い「良いですよね〜」と一言。

その伊藤さんの笑みが、なんだか達観的で、思わず可笑しくなってしまいました。

(大変さとか、大金がかかるとか・・・、笑み一つが表現してた。)



posted by はるお at 11:40 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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